医療費控除で税金をとりもどそう!
確定申告の医療費控除ってご存知ですか?
ひょっとしたら、このブログの想定読者の皆さんにはまだ無縁の話かもしれませんが、年齢も四十を超えてくると、あっちこっち傷んできます(>_<)
そうすると、馬鹿にならないのが医療費です。かかりつけのお医者さんに毎月診てもらったり、お薬を処方してもらったり。
それ以外でも近所のドラッグストアで頭痛薬や胃薬、湿布なんかもよく買います。
私の場合、なんだかんだで年間10万円前後は医療費として支出してるんじゃないでしょうか。
本当、健康って大事ですね。
さて、この医療費を使って税金を取り戻すことができるって、知ってますか?
それが、確定申告の医療費控除です。
確定申告なんてワードがでてきて、「うわっ面倒くさそ〜」「難しそ〜」と思われた方もいるかもしれませんが、実際にやってみると意外と簡単ですし、何よりプチ贅沢なランチができるくらいの税金がゲットできますので、今日はその方法について、ご紹介してみようと思います。
医療費控除ってどんな制度?
まずは、医療費控除の制度について説明していきます。
同じ家計から支出していれば家族全員分が対象
医療費控除は同じ家計(お財布)から支出した医療費であれば家族全員分が控除対象になります。
逆に控除対象にならないケースは、夫婦共働きをしていて二人がそれぞれ、会社での年末調整や確定申告している場合、家計(お財布)は別ということで、奥さんの支出した医療費で旦那さんが控除をうけることができません。
医療費控除は所得控除
所得税の控除には2種類あります。
税額控除・・・ダイレクトに税金の金額を減らす控除方法
所得控除・・・税金計算の基となる所得の金額を減らす控除方法
もう少し具体的な例で説明してみましょうか。
【ケース】
- 今年の所得 50,000円
- 今年の所得税額 10,000円(税率20%と仮定)
- 控除できる金額 1,000円
「控除できる金額」が税額控除の場合
最終的な所得税の金額は
10,000円-1,000円=9,000円
「控除できる金額」が所得控除の場合
最終的な所得税の金額は
(50,000円-1,000円)×20%=9,800円
これが2つの控除の違いです。税額控除のほうが有利な制度ですね。
では、医療費控除はどちらの控除方法かといいますと
残念ながら所得控除の制度になります ^_^;
控除できる医療費は年間10万円を超えた金額
医療費控除は年間の医療費が10万円を超えた場合に受けられる制度です。
そして医療費を支払っていても、あとから保険や補助で補填されている場合にはその金額を除いた金額が控除対象の金額になります。
医療費控除の額=一年間で支払った医療費-保険などで補填される金額-10万円
医療費控除かんたん5ステップ
事前準備をする
<準備するもの>
- パソコン
- プリンター
- 1年分の医療費のレシート、領収書
- その年の源泉徴収票
一年間の医療費を集計する
医療費控除を受けるためには、医療費控除の明細書を提出する必要があります。
明細書は自分で作成してもOKですし、国税庁HPの確定申告書等作成コーナーにも医療費集計フォーム(EXCEL)が用意されているのでそちらをダウンロードすると便利かもです。
ちなみに、医療費控除の対象になる医療費ってどんなもの?というかたは国税庁のこちらのページを参考にしてみてください。
病院に通うための交通費も医療費に含まれるんですよ!
e-Taxホームページにアクセスする
国税庁のe-Taxホームページには確定申告書等作成コーナーへのリンクが用意されています。
確定申告書等作成コーナーで申告書を作成する
確定申告書等作成コーナーからはガイドに従って、源泉徴収票の記載内容を転記したり、集計した医療費の内容、還付してもらうための自分の銀行口座の情報、などを入力していきます。
印刷して書面提出する
申告書の入力が終わったら、申告書と医療費集計表を印刷します。
申告書に押印が済んだら源泉徴収票を添付して申告書類の完成です!
ところでe-Taxのホームページを見て、
「あれ?電子申告もできるんじゃないの?」と思った方もいらっしゃると思いますが、電子申告を利用する場合、マイナンバーの登録手続きがあるので思い立ったらすぐに手続きできる書面提出を今日はご紹介しました。
来年に向けて、時間があるときにマイナンバー登録を済ませておけば次回からはさらに簡単に手続きできますね。
ちなみに、書面提出の場合、郵便で送ってしまうと切手代がかかっちゃいますよね。
せっかく税金還付をしてもらうんだからそこも節約したい。
その場合は、税務署に直接持ち込むこともできます。
休日は税務署の外に設置されている時間外収受箱というポストに投函すればOK!
医療費が多くない場合にはセルフメディケーション税制がある!
ここまで記事を読んでいただいて、「いやいや、10万円以上も医療費払ってないから!」って方も多いはず。
そこで、もう一つご紹介したいのが
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)です。
セルフメディケーション税制について厚生労働省のHPでは
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。
と説明されています。
具体的には、対象となる市販薬(スイッチOTC医薬品)を家族の購入分を含めて年間12,000円を超えて購入した人が所得控除を受けられる制度なんです。
これなら、恩恵のある方も結構いらっしゃるんじゃないでしょうか?
でも、スイッチOTC医薬品ってなに!?
初めて聞くワードかもしれませんが、ドラッグストアでお薬を買うときにパッケージにこんな表示がされているのを見たことありませんか?
もしくは、買い物レシートをよく見てみてください。
こんなふうに、下のほうに対象品マークが記載されていませんか?
それが、対象となる医薬品ですのでレシートを大切に保管しておきましょう。
控除を受けるには、
- 確定申告書 (セルフメディケーション税制を適用して計算したもの)
- セルフメディケーション税制の明細書
- 健康維持のために一定の取組をしたことがわかる書類
を税務署に提出します。
確定申告書は先ほどご紹介した医療費控除の手順と基本的に同じです。
作成過程で「医療費控除」か「セルフメディケーション税制」のどちらを選べるようになっています。
また、健康維持のために一定の取組をしたことがわかる書類というのは例えばお勤め先で受けた健康診断の結果通知、インフルエンザワクチン接種の領収書などです。
こちらの日本一般用医薬品連合会のホームページでは控除税額の試算もできるみたいなので、事前に調べてみるのもおススメ。
ぜひ、これらの制度を活用してすこしでも税金をとりもどしましょう!